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優秀賞 : UNIXサーバによる基幹システムの構築 (三菱電機ホーム機器株式会社)
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受賞者 | : | 三菱電機ホーム機器株式会社 |
受賞システム名 | : | UNIXサーバによる基幹システムの構築 |
システム概要 | : | 汎用機システムで稼働していた基幹システムをUNIXサーバへ移行し、人事情報、経理、営業、設計、生産管理の全システムの再構築を実現。 |
使用IT技術 | : | EC |
活用サーバ | : | UNIXサーバ、PCサーバ |
端末台数 | : | 350台 |
システム稼働時期 | : | 2000年3月 |
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■ 受賞のことば
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「今回のシステム開発では、三菱電機コンピュータユーザ会での受賞、社長賞に続いて、こうした公の場で評価いただいたことを嬉しく思っております。さまざまな困難がありましたが、トップの方々からエンドユーザまで、全社的な協力を得られたことがこのような結果につながったと考えています」 |
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製造管理部 情報システムグループ グループリーダー 須永光雄 氏 |
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■ 会社概要 |
三菱電機ホーム機器株式会社
1984年に三菱電機株式会社より分離・独立して設立。オーブンレンジ、クリーナー、ふとん乾燥機、ジャー炊飯器、調理器具などの生活に身近な家電小物を中心に開発し、世に送り出している。埼玉県の熊谷近郊にある本社には、設計から生産ラインまでの設備のほか、商品を展示したショールーム、調理実習が可能なクッキングスタジオなどが設置されており、幅広い活動を展開している。
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■ システム開発の背景
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製造管理部 情報システムグループ 主査 内川晃志 氏 |
1984年に三菱電機の子会社として設立された三菱電機ホーム機器株式会社は、電気掃除機やジャー炊飯器などの家電小物商品の開発・生産・販売を行っている。
同社の総務・経理・営業・設計・生産管理などの基幹業務は、1988年に導入した汎用機で処理していたが、機体の老朽化、2000年問題対策によるシステムリプレースへの取り組みが1996年頃から実施されてきた。
新システムへの移行に際しては、費用の節減に重点が置かれ、汎用機の資産を継承したダウンサイジングが求められた。また、専用端末ではなく、大幅に普及したパソコンでのオンライン処理の必要性から、オープンシステムへの移行が選択された。
新しいシステム開発を担った同社・情報システムグループのメンバーは苦労の連続だったという。
「自社開発ですから、いろいろと大変でしたね。最初から全部セットされている汎用機と違って、オープン系だと、機能ごとにソフトウェアを検証・選択していかなければならないですから」
現在は、システム構築に関して、他の会社からアドバイスを求められることも多い。
革新的な機能を盛り込んだ新しいシステムへの効率的な移行が実現された最大の要因は何だったのだろうか。
「私たちの取り組みがなぜうまくいったかというと、やはりトップの理解があったからです。任せてもらえましたから。また、情報システムグループのメンバーは、トップダウン、上司主導型でもついてきてくれましたし、社内ユーザも理解してくれました。そうした全社的な協力があったからこそ、積極的な取り組みができたのだと思います」
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■ システム構成図 / 新旧システム比較(概略)
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▲ TOP
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■ システムの特長
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UNIXサーバによる新規システム構築であったが、汎用機の資産であるCOBOLでプログラミングされた業務アプリケーションやデータのコンバート、あるいは作り直しによる効率的な活用といった取り組みの成果が、費用削減に結実している。
「汎用機の導入に必要な費用と比較すると、初期投資、ランニングコストとも3分の1以下のコストセーブになっています」
コストセーブに寄与したものの1つに、システムのほとんどを社内で検証・開発したことが挙げられる。これは社内技術者のスキルアップ、さらにシステムの柔軟なカスタマイズを可能とする利点にもなった。
「自前のシステムだと、カスタマイズが容易なんです。全部わかってますから。また社内ユーザの要求にも、早いレスポンスで回答できていると思います」
技術面では、オープンシステムへの移行によってLAN経由でデータの送受信や参照が可能となり、オンライン決済などの電子帳票システムや機種別の実績原価を参照できるシステムを構築したことによって、ペーパレス化も実現している。
また、GUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)を活用したユーザインタフェースの改善により、エンドユーザにとっての使い勝手も格段に向上している。システムの運用も容易になり、作業の時間短縮など大幅な削減効果があった。
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■ システムの将来展開
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「製造業として、いかに効率のいいモノ作りができるか。ここが基本的な視点なんです。そのために情報システムがどう寄与できるのか、それがこれからの課題ですね」
その問題意識のもとに、今後は取引先とのネットワーク強化、商取引情報を電子的に交換するためのEDI化、情報のさらなるスピード化を目指している。
EDI化への第一段階として、発注書や内示データのオンライン化が始まっている。現在は全取引先の10%で実施されているが、さらに拡大へ向けての取り組みが行われており、生産工程の圧縮や効率化が期待される。
競争の激しい家電小物業界では、社内情報のスピード化も重要な武器になる。
「私たちの業界は、ちょっとでも油断すると、あっという間にシェアを塗り替えられてしまうのです。要は、結果をいかに早くトップマネジメントへ報告できるかが勝負ですね」
さらに、三菱グループだけではなく、関連企業も含めた決算などの結果報告を、できるだけ早くトップマネジメントへ届けるためのシステム構築にも取り組んでいる。
また、オープンシステム化にともなうビジネスプロセスの見直しも検討されている。これは会社の方針との関わりが大きく、情報システムグループ主導では実現できない。トップマネジメントの協力と同時に、エンドユーザの協力も必要となるため、全社的な働きかけが行われている。
企業をバックグラウンドで支えてきたシステム開発はいま、ビジネスプロセス、ひいてはビジネススタイルの変革を導き出そうとしている。こうした流れが近未来のスタンダードを形作っていくのではないだろうか。
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