Japan Electronics and Information Technology Industries Association JEITA

  XMLとは


1.はじめに

2.XMLのメリットと利用形態

3.XMLが注目されている背景

4.XMLの標準化動向

5.XMLのソフトウェア

6.まとめ

 

 

1.はじめに

インターネットの急速な進展は,新しい情報流通市場を生み出し,さらに情報システムの基本的な仕組みをも変える程のインパクトをもたらしている。グローバルネットワーク(Web)全体が,一つの巨大な情報システムあるいはデータベースとなっていくとき,ここに参加するアプリケーションの間で共通な情報表現のルールが必要となってくる。この情報表現ルールにXML(eXtensible Markup Language)適用が注目されている。

 

2.XMLのメリットと利用形態

XMLは,1986年ISOで標化されたSGML(Standard Generalized Markup Language)をインターネットで活用しやすくするために,1998年2月にその基本仕様XML1.0がW3C(World Wide Web Consortium)にて策定された。Webページ作成言語であるHTML(HyperText Markup Language)は,タグが固定であり表示に特化した構造となっており,アプリケーションからそのタグ情報を基にプログラム処理したいという要件に対応できない問題がある。XMLでは利用者が自由にタグを定義でき,文書中の文字列に意味付けができる言語構造を持っており,プログラムで自在にXMLデータを情報処理できるというメリットがある。さらに,SGMLの持つ複雑な印刷系のオプションなどを省略して言語仕様を規定しており,理解しやすさ・使いやすさを向上させている点にもメリットがある。

XMLの利用面からの特徴を見ると以下の3つの形態が挙げられる。

・動的コンテンツ

・アプリ間データ交換

・ビジネスルールの統合

動的コンテンツとは,プレゼンテーション(HTML,マルチメディア),ロジック(スクリプト),データベース(XML)の組み合わせでコンテンツが形成されていることを示している。このコンテンツをWebクライアントに送り込み,利用者の指示に従ってWebページをダイナミックに変化させ情報表現させることができる。

XMLの一般的な利用形態が,アプリ間データ交換での利用である。インターネットの普及により,企業では部材等の調達コスト削減を目指してオープン調達/グローバル調達といったWebベースの電子商取引の形態がでてきており,その調達のルールや伝票形式にXMLを適用してアプリ間のデータ交換を行うケースがある。この他のアプリ間データ交換の形態として,ERP(Enterprise Resource Planning)パッケージとレガシアプリとの共通インタフェースとしてXMLを適用する形態,DBの持つメタ情報とデータとをXMLにマッピングして異種DBの情報交換で利用する形態などがある。

より進んだ利用形態として,ビジネスルールの統合にXMLを適用する形態がある。ここでいうビジネスルールとは,企業の組織間で流れるデータ形式とルーティングのルールを指しており,このルールをXMLを使って規定していく。これは企業内の部門と部門との内部ビジネスルールへの適用だけではなく,他企業とにまたがる外部ビジネスルールの適用にもXMLが利用される。

 

3.XMLが注目されている背景

インターネット技術を核として,情報流通市場が急速に拡大している。日本市場をベースにその拡大状況を考察してみると,2000年から2005年にかけてBtoB(Business To Business)領域,BtoC(Business to Consumer)領域,さらにはCtoC(Community to Consumer)領域でネットワーク基盤の上に,EC(Electronic Commerce)ソフトウェア,デジタルコンテンツの市場が広がっていくと予測している。さらに情報家電の世界においても家電製品と通信・情報処理の融合や一般大衆での情報家電利用の拡大が進むとみている。また,情報システムの70年代,90年代,2000年以降の変化を,IT化の対象,システム化要件などで考察してみると情報処理のフレームがBit/Binaryの処理からメッセージ(構造を持ったText)処理に大きく変化してきているとみることができる。

この情報流通市場の拡大と情報システムの変化を背景にして,グローバルネットワーク(Web)全体が一つの巨大な情報システム/データベースになっていくとみることができ,このグローバルネットワークに参加するアプリケーションの間で共通な情報表現のルールが必要となってくる。その情報表現の共通基盤としてXMLの確立とその上位ボキャブラリの標準化が必須な状況にあると言える。

 

4.XMLの標準化動向

4.1 技術

XMLの標準化活動は,W3Cによる基本言語仕様の標準化と各種コンソーシアムなどでの文書構造/意味定義(上位ボキャブラリ)の標準化が活発に動いている。

基本言語仕様については,最も基本的な部分が漸く規定された状況であり,Webでの共通な情報表現基盤となるためには,まだ,多数の標準の規定が必要である。これらの一通りの標準が規定されるまでには後1年,安定するまでには2年かかると見ている。

上位ボキャブラリの標準化については,W3Cのような非営利団体が推進していくというよりも,ビジネス戦略を背景に複数企業がコンソーシアムを形成して標準化/デファクト化を推進している状況にある。従って,同一分野で対立するコンソーシアムが発生している状況でもある。特徴的なのは,EC分野でのマイクロソフトの標準化活動と携帯端末,カーナビ,デジタル放送などへのXML適用の分野拡大が挙げられる。

4.2 XMLフォーマット

4.2.1 海外の動向

1)OASISとXML.ORG(コンソーシアム)

SGML, XMLや HTMLなどの標準の普及活動を行っている国際的なコンソーシアムとしてOASISが有名である。このOASISの下部組織で、特にXMLを扱っているのがXML.ORGである。XML.ORGは、OASISサイト(www.oasis-open.org)とは別にXML.ORGサイト(www.xml.org)を持ち、XMLポータルをとしての役割を担っている。

XML.ORGには、XMLフォーマット仕様の情報を登録することができ、それによってXMLフォーマット情報のイエローページとして機能している。したがって、XML.ORGは、各仕様の概要を紹介するページは持っていない。ただし、OASISサイトのCover Pageに概要が載っている場合は、そこへのリンクを持つ。

2)ebXML(XMLベースのEDI共通フレームワーク)

ebXMLは、国連の通商・電子商取引部門であるUN/CEFACTとOASISが、国際的に共通なEDI共通フレームワークの必要性を感じ、協力してXMLベースで作成している仕様である。
 

  • OASIS:Organization for Structured Information Standards
    • UN/CEFACT:United Nations Centre for the Facilitation of Procedures and Practices for Administration, Commerce and Transport
    • ebXML : the Electronic Business XML
    3)SOAP(W3C)

    4.2.2 国内の動向

    1)JIPDEC

    @CII標準ベースのXMLマッピング仕様の作成

    EDIにおけるデータの表現形式の規約としてJIPDECが開発したCIIシンタックスルールと各業界の標準メッセージを組み合わせたCII標準の開発を行い、普及に努めている。この一環として、通商産業省の委託を受けてCII標準を利用した異業種間のEDIおよび中小企業向けEDIパイロットモデル事業等を実施している。 AebXML日本委員会の設立を提案 EIAJ(日本電子機械協会)で、ebXML日本委員会の設立が検討されている。 2)Med XML コンソーシアム(医療)

    XMLベースの電子カルテの交換フォーマットであるMML(Medical Markup Language)の実用化を推進するために3月3日、「Med XML コンソーシアム」(Med XML)が結成された。日本医療情報学会の電子カルテ研究会MML仕様作成ワーキンググループ(MML-WG)が母体となった。MML-WGでは1995年からMMLの開発を進めてきたが、1999年11月に発表した「MML Version2.21」で実用レベルに達したと判断。その為今回、産業レベルでの技術開発を進め実用化を促進するために、学会から独立した新組織を設立した。

    3)日本電子出版協会 (出版)

    出版社、印刷会社など136社で構成する日本電子出版協会は、XML(eXtensible Markup Language)ベースの電子書籍フォーマット「JEPAX」のドラフト版を策定。 バージョン0.7仕様を公開した。12日にはサンプル・コンテンツをWebページ(http://www.jepa.or.jp)からダウンロード可能にする。9月にも正式版を公開する予定。

     

    5.XMLのソフトウェア

    XMLのソフトウェア体系は,前記のXML標準化と同様に基本系(標準化でいう基本言語仕様対応)と応用系(上位ボキャブラリに対応した各分野対応)で構成される。なお,応用系にはこの基盤ソフトウェアを利用したXMLベースのAPLサーバソフトウェア/コンテンツ管理ソフトウェア/開発環境ソフトウェアなどがある。

    XML基盤ソフトウェアは,アプリケーションからXMLデータを直接扱えるAPI(Application Programming Interface)を持つXMLプロセサとXMLをインタラクティブな使い方などで容易に扱えるXML ブラウザ/エディタ/コンバータといったツールキット群で構成される。

    なお,XMLプロセサ中のDOM(Document ObjectModel)のAPIはW3Cで標準APIとして規定されている。ただし実用面からはAPIとしては不足している所があり,現在,W3Cにて拡張仕様が急ピッチで検討・議論されている状況にある。

     

    6.まとめ

    今後標準XMLフォーマットは,EC(電子商取引),ERP(統合業務パッケージ),サプライチェーンマネージメント,CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネージメント),モバイル,ヘルスケア,保険,証券等のインターネットビジネスで広く使用されることが見込まれている。




    Last Updated; 7/July/2000